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日々これ徒然
essay & opinion
スフィンクス(N11E)
我が家のリビングでは、平日の朝、朝の情報番組が流れている。
特に流す番組は定まっておらず、毎日適当なチャンネルが流れている。
流すとはまさに言葉の通りで、誰も見てはいない。
音と映像として流しており、誰かが興味を持つとちょっとのぞく。
という程度だ。
ただ1匹、我が家の猫を除いては。
我が家の猫は、テレビの前でドカッと陣取り、ジッとテレビを見つめている。
その様子はさながらスフィンクスのようだ。
なぜそんなにもテレビを見つめているのか。
それには訳がある。
皆さんはご存じだろうか。
朝の情報番組で個別のニュースなどを詳細に報じる際に、パネルを指すことがある。
このパネルを、先端が丸い指し棒で指し示して説明するのだ。
そう。
何を隠そう、猫の狙いはこの「指し棒の先端」なのだ。
パネルが表示され、指し棒が表示される雰囲気が出ると「ミャ」と小さな一音を発した後、そっとテレビに近寄る。
して指し棒が表示されるや否や、、、
テレビに対して猛烈な肉球タッチが始まる。
指し棒は画面の右から下から左からと登場し、パネルを指し示す。
肉球タッチは指し棒を追って、画面を所狭しと追いかけるのだ。
当然、ニュースの内容はわからない。
そして、画面は肉球の跡で華やかに飾られるのだ。
せめてもの救いは、爪痕は残さないでくれていることである。
こうして明日の朝も、我が家のリビングのテレビの前には猫が陣取り、いつ来るかもわからない「指し棒の先端」を待つのだ。
スフィンクスのように。
2023年05月22日