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日々これ徒然

essay & opinion

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(N11E)

8月の或る日の出来事(N11E)

その日は帰りが遅かった。

家に帰りリビングに入ると、我が家の猫の1匹が近寄ってきた。
これまでそんな事は全くなかった。

ん?

ちょっと不思議に思ったが、様子を伺っていると、私の足にスリスリと擦り寄ってくる。それもずっと。

「どした?」と聞くと「ミャー。」と言う。
おお、通じた。と驚きながらも「ミャーじゃわからん。」とツッコミを入れる私。

しばらくそのままにしてみたが、スリスリが終わらない。歩く事もままならない程だ。
目を合わせるとミャーと言う。

お腹が減っているのかな?
私はゴハンをあげることにした。夜なので控えめだが、代わりに好物の鰹節をかけてあげた。
だが。
ご飯に目もくれず、スリスリが続くのだ。
え?と思ったが、ココで気付いた。
もう1匹が居ない。
もう1匹は食いしん坊なので、ゴハンを出して来ないなど、あり得ない事なのだ。

それから夜の大捜索が始まった。
捜索を始めるとスリスリは止まり、捜索をしている私を少し離れた場所でじっと見つめている。
監視しているのだ。

収納庫、隣室、押し入れ、トイレ。。。居ない。

猫が出入りしそうな家の中を一通り探したが見つからず、ソファに腰を下ろす。監視は続いている。

「居ないよ?どこ行った??」
「ミャー。」
「ミャーじゃわからん。」

私と猫がそんなやり取りをしている、ちょうどその時だった。
「バタバタ何やってるの?」
そう言いながら息子がリビングに顔を出した。
・・・もう1匹の猫を抱えて。

「居た!」

私は思わず大きな声を出した。
聞いたところ、知らぬ間に息子のベットの上で寝ていたらしい。

「良かった。」

私が安堵してそう言っている間に、私への監視は解かれ、2匹は鰹節がかかった夜食を仲睦まじく奪い合いながら食すのであった。

2022年09月29日

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