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日々これ徒然
essay & opinion
ロフトwithテレワーク(SE)
テレワークが多くなっている現在、私の主な仕事場は自宅のロフト(屋根裏部屋)だ。
皆様はロフトと聞くとどのような部屋を思い浮かべるだろうか。
埃の被った荷物置き場、小さな図書館、天窓から星明りが照らす天文台etc…
幼い頃の筆者は一般的な男児の例に漏れず、放課後になると同級生たちと秘密基地を作って遊んでいた記憶がある。
各自が思い思いにモノを持ち寄り、決して広くはないスペースに自分達の世界を作り上げていく。
解放感と閉塞感がごちゃ混ぜになったような空間にとても心が躍るのである。
齢30を超えて未だ童心を忘れぬ筆者にとって、ロフトとはまさに大人のための秘密基地だ。
只の物置としてしか使われないような暗くて狭い部屋も、大の大人が直立出来ない低い天井でさえ、秘密基地の一部となれば途端にアジトに変貌する。
そんな空間の中で、机の置き方一つから照明の当て方まで、全てを1から作り上げていく。
自身の「好き」を一つ一つ詰め込んだ自分だけの不可侵領域、それはもはや人生の縮図と言っても過言ではないだろう。
さて、ここまで大層な触れ込みをしてきたが、前述の通り筆者もまだまだ人生道半ばの身。
日々悩み、立ち止まり、時には回り道をしてまた前に進んでいる真っ最中だ。
つまるところ、秘密基地の構築もまた同じように道半ばなのである。
子供の頃はただただ無心で取り組めていた筈なのだが、なまじ選択肢が増えたことで最良を求めてしまい、それ故に停滞してしまう。
だが、この場においては決して悪いことではないのだろうと思う。
この先もまだまだ続いていく道の中で、悩みに悩みぬいた結果、たどり着くものこそ、まさしく自分だけの秘密基地なのだ。
2021年06月14日