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(N10S)

マニュアルの無い製品を目指す(N10S)

日本はマニュアル作りが大好きです。
接客業では手の動かし方一つまで懇切丁寧に教えるマニュアルが存在し、家電や家具などには小さな文字がびっしり書かれた説明書が付属します。
書店に行けば旅行時の値切り方やトラブル回避方法を記した書、はては異性の誘い方やデートプランの指南書など様々なマニュアルがずらっと並んでいます。
時に便利なマニュアルも逆にこの事細かいことが、大きな弊害となる場面もあります。
デジタル部門において詳細なマニュアルは、それを理解しながら操作することに慣れない人間にとって「便利」ではなく「とっつきにくい」というネガティブな印象を与えてしまいます。
我々技術者は、仕様どおりに製品を作らなければなりません。
技術者は無意識ではありますが、見た目や操作性よりも機能や性能を重要視する傾向があります。
そして機能や性能ばかりが優れた製品の多くは、慣れない人間には“使い方が判らない”製品となります。
そしてそこをフォローするために長々としたマニュアルが制作され、その結果、使いづらさやとっつきにくさに拍車をかけてしまうのです。
どんなに高機能/高性能な製品を作ったとしても、使う側が「使いにくい」のであれば何の意味もありません。
良い製品の良い部分を実感してもらうには、ユーザーがそこにたどり着く道のりが容易でなければならないのです。
作り手はこの点において、もっと多くの知恵と議論を注ぐ必要があると考えます。
どんな人間でも、思わず手にとり、操作したくなる。
そして触れていくうちに自然と使いこなせるようになる。
そんな製品作りを目指すべきではないでしょうか。
高機能/高性能ばかりに固執した思考を一旦和らげ、使う人の気持ちになって、彼らが笑顔になることに重きを置いた考え方を自分の中に構築していく事が大切だと私は考えます。

2022年01月20日

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