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日々これ徒然
essay & opinion
ドラム式洗濯機と私 前編(H04E)
「誕生日プレゼントはドラム式洗濯機がほしい。乾燥がしっかりできるやつ!」
2021年1月のとある休日のことである。
2月に誕生日を控えている妻から何の前触れもなく要望が一方的にいい放たれた。
我が家では子供が生まれたのをきっかけに、準備するのも考えるもの大変であるため、
「夫婦間では誕生日にプレゼントの贈り合いはしない。
その代わりにちょっと高級なレストランで誕生日をお祝いをする」
というルールが設けられた。
提案者は妻である。
もちろん上記のルールはその日まで守られてきた。
なので、当然のことながら私からは
「今年の誕生日プレゼントは何がほしい?」
とはきいていない。
ちなみに
「その代わりにちょっと高級なレストランで誕生日をお祝いをする」
だが、妻の誕生日であろうと私の誕生日であろうと、なぜか費用は私の個人貯金から捻出される。
それを今更指摘する勇気は今の私にはない。
妻のほうに(若干)パワーバランスが傾いている我が家において返答を間違えると、大変なことになりかねない。
この不意打ちの要望に対しても、当然返答を間違えてはならない。
「た、誕生日・・・プレゼント・・・?
あぁ、誕生日プレゼントね。
洗濯機ね。
ほしいよね。」
不意打ちで言い放たれた
「高性能なドラム式洗濯機がほしい。
しかもあなた(私)の個人貯金からだしてほしい」
という理不尽な要望を正確にくみ取りながらも、はっきりとNOとは言わないファインプレーの返答である。
あとはこの話を何とか有耶無耶にするのみ。
家での私の得意技である。
ところがこの日の妻は手ごわかった。
「来年から私の育休が明けるから、時短のために乾燥がしっかりされる洗濯機があるべきだと思うの」
妻がめずらしく正論で語る。
「この際だから、誕生日プレゼント制度を復活させましょう」
自ら設けたルールを覆してまで、ドラム式洗濯機がほしいというアピールである。
ここまでくると話をなかったことにするのは難しく、私の微々たる抵抗も虚しく、誕生日プレゼントルールの復活。
とともに、我が家はドラム式洗濯機を私の貯金から購入するという方向で話しがまとまってしまった。
後編へ続く。
2021年11月18日