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日々これ徒然
essay & opinion
断捨離の行(T4E)
断捨離を始めた。
そもそも断捨離とは、元々はヨガの行法である。
・新たに手に入りそうな不要なものを断る「断行」
・既に手に入れている不要なものを捨てる「捨行」
・物への執着から離れる「離行」
これら3つの行の概念が70年代のヨガブームで日本に輸入されたことを起源としている。
「不要なものを減らし、生活の調和をもたらそうとする思想」として商標登録された言葉である。
掻い摘んで言えば、物に溢れた生活からの脱却を軸にした思想へと現代風に簡略化されたものである。
私は「捨行」から始めた。
いわゆる「押し入れの肥やし」は捨てた。
家にはもともとテレビがない、本もない、そこからさらに不要と思うものを捨てた。
続いては「断行」である。
私はそもそも物欲が控えめなので、さほどの変化は必要なかったが、1つだけ変えたことがある。
それはサブスクリプションサービスの解約である。
この手のサービスはあったら便利だが、無くてもそれほど困らないので「断つ」ことにした。
その結果、ここ数ヶ月の出費は食品、洗剤、ボロくなった靴下と縮んだセーターの買い替え程度である。
不要な買い物は一切しなかったので「断行」も成功していると言っていいだろう。
問題は「離行」である。
執着から離れるというのはTo Do的に達成されるものではなく、心のあり方である。
執着とは失うことを恐れる心。
それから離れるとは、何もかもを捨て去る蛮勇ではなく、その恐怖を乗り越えた先にある勇気。
失われゆく今への愛と感謝こそが「離行」の本質である。
今の私には今を愛することも感謝することも難しい。
私の「行」は齢27にして、まだ始まったばかりである。
2022年04月28日