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日々これ徒然

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本と酒と私 第二章 チャンドラーとギムレット[後編] (O2E)

この作品の中でテリーが語るギムレットのレシピには、ジンとの割合もライム・ジュースのメーカー名すらも具体的に書かれているが、日本では甘すぎて不評のようである。
バーテンダーさんはあなたの好みを聞いたうえで、ライム・ジュースではなくフレッシュ・ライムを絞って加える方をお勧めしてくれるかも知れない。
今度はかなり酸っぱくなるので、砂糖を加える場合もある。
甘くしてソルト・スノーしたり、酸っぱいままでシュガー・スノーしたり、砂糖ではなくキュラソーにしたり、楽しみ方はいろいろである。
あまりレシピを変えると「ギムレット」というカクテルではなくなってしまうかも知れないが。

更に、ベースだけ変えてライム系のカクテルを飲み比べるのも楽しい。
ベースをラムにしてダイキリ、テキーラならマルガリータ、ウォッカだとウォッカ・ギムレットやスレッジ・ハンマー、カミカゼ、バーボンでニューヨーク、日本酒ならサムライ。
これをバーごとに試すと、各店のバーテンダーさんの個性が良くわかる。
さて、小説に紹介されているローズ社のコーディアル・ライム・ジュースを取り寄せて自分で作って飲んでみた。
以前バーで飲んだ時は確かに甘すぎる感じがしたのだが、久しぶりに飲んだテリーのギムレットはとてもさっぱりして美味しかった。
確かに甘いが、ベタベタしておらずふくよかな甘さ。
酸味と甘さのバランスも悪くない。
自分が歳を取ったせいなのか。
2杯目は比率を1対1から3対2にしてみた。
今度はジンの存在感が強く感じられ、意外と甘さはそのままに思える。
次はジンの銘柄を変えてみるか。

ちなみに、チャンドラーが書いた別の有名な台詞に
「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」
というものがある。
原文では、
「If I wasn’t hard, I wouldn’t be alive. If I couldn’t ever be gentle, I wouldn’t deserve to be alive.」(Playback、1958)。
20年後の日本で吉田拓郎が「我が良き友よ」で詠うのと似た匂いがするのだが、どうだろうか。

2019年06月24日

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